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鉄腕アトムよ、さようなら
鉄腕アトムの動力源は原子力です。核融合炉を体内に内蔵しています。この核融合炉をどのようなものと手塚氏が設定しているのか分かりませんが、現在の科学レベルで考えるに、爆裂すれば恐らくトリチウムなどの放射性物質を撒き散らし、周囲を汚染します。
このようなものが普通にその辺を歩き、子供の近くにいて、壊れるまで戦うなどという未来社会を想像すると、ぞっとします。
ところが、この恐ろしい未来が、現実になってしまいました。
原子力は夢のエネルギーではありませんでした。広島や長崎で大勢の人を殺したものと同じものだと、もっと早く気付くべきでした。
私には大学の教養課程で核物理学を学んだ程度までの知識しかないのですが、当時の物理の先生が、しきりと No Nukes を訴え、当時公開中の反核映画”The Day After”を観ることを単位の必修にしたことが印象に残っています。”原発はトイレのない家”だそうですが、今考えると、もっとひどい、”ゾンビの生まれ出づる家”でした。
一体だれがこのような化け物を日本に作ることを考えたのでしょうか。しかも、化け物を留め置く鎖は脆いもので、簡単に砕けてしまい、化け物は解き放たれ、暴れ放題です。製造者、管理者、監督者は、これを黙ってみているのです。というより、皆が化け物に喰われるように仕向けています。安全な化け物だからと嘘を付いて、逃げる必要などないと騙しています。
製造者は、GE、東芝、日立、ゼネコン、電力会社です。
管理者は電力会社です。
監督者は政府です。この場合の政府とは、経済産業省、内閣府、文部科学省、原子力保安院、原子力安全委員会です。
族議員、高級官僚、天下った元官僚が、受益者として脇を固めます。
日本の原子力とは、これらの連中が儲けるための金づるだったのです。
事態発生後の対応を見ても、国民のことなど考えていないことが明らかです。嘘、誤魔化し、隠蔽、真実を語る人への恫喝(最近も官邸から小佐古参与が、不都合なことは語らぬよう圧力を受けた)。誠実さには程遠いものです。
大体、「全くと言っていいほど健康には問題ない」とはどう言う意味でしょうか。「全く問題ない」と言えないのでしょう。この枝野という男、国民を愚弄しているとしか思えません。今の政府には、国民より大事なものがあるのです。政権が交代しても、変わりないのです。
我が国の鉄腕アトムは正義の味方ではありませんでした。とんでもない化け物でした。上記悪人の欲が作り出した、毒を撒き散らすモンスターそのものでした。
H23.5/4(水)記